「雨が降ると頭痛がする。病院で検査しても原因不明」。こういう人いますよね。普通の雨なら平気だけど台風が来るとダメとか。梅雨の時期は天気の悪い日が多くてつらいのではないでしょうか。
これは天気痛とも呼ばれているものですが、なぜ雨が降ると頭痛がするのか。その仕組みがわかると、どう対処したらよいのかもわかってきます。
もしこれまで雨と頭痛の関係を調べていて「気圧が下がると血管が拡張して頭痛につながる」という説明だけで納得できなかったら、ぜひ読んでみてください。すごーく遠回りしながら紹介します。
雨が降ると頭痛がする原因は?
天気痛の原因と考えられているのは気圧です。気圧が低いと雨が降る確率が高くなります。だから雨で頭痛になるというよりも、低気圧で頭痛になるという方がイメージとしては近いでしょう。
よくドラマや小説で船乗りが「嵐が来るな…」みたいなセリフをつぶやく場面あるじゃないですか、あれも低気圧による体調の変化を感じるからです。
この感じ方には個人差があるので、全く気にならない人もいれば、雨程度では感じないけど台風が近づくと頭痛がするという人もいます。
では、なぜ気圧が低くなると頭痛になるのでしょうか?これがわかると、対処のしかたを自分で判断できるようになります。頭痛薬で痛みを抑えるのは対症療法で、続けていればいずれ効果が薄れます。
低気圧と低血圧と頭痛の関係は?
気圧というのは、かなり省略すると「空気による圧力」のことです。地球を覆っている大気の層が厚ければ圧力が増し(高気圧)、薄ければ圧力は下がり(低気圧)ます。
重力も関係してくるし、ややこしいので天気の話しに絞りますね。
雨が降るのは、太陽熱で空気が暖められて上昇、上空で冷やされて重くなると落ちてくるからです。この「空気が暖められて上昇する(空気による圧力が弱まる)」ことで気圧が下がります。
気圧が下がると血管が拡張するのはなぜ?
小雨よりも豪雨、豪雨よりも台風の方が、より気圧が下がるのです。たとえば台風の情報を見るとヘクトパスカル[hPa]という単位があります。これは気圧の単位で、小さいほど気圧が低いということになります。
で、気圧が下がるということは空気による圧力が弱まるということなので、人間の身体を押さえつける力も弱まります。押さえつける力が弱まると身体の緊張がほぐれます。
たとえば重いものを持ち上げてるときは体中を緊張させて踏ん張るけど、軽い物ならさほど緊張させる必要ないでしょ?そういうイメージです。身体の緊張がほぐれるので、筋肉も血管も緊張を解きます。
血管も緊張を解くと緩み、広がります。すでにほかの情報を見ている人は「低気圧になると血管が拡張する」というのを見知っているかと思います。それです。
血管が拡張することで体内の普段とは違った部分を圧迫するわけです。ちょうどそこに神経なんかがあったりすると、そこに触れて痛みが走ります。天気が悪くなると頭痛だけでなく、古傷が痛んだり歯が痛くなったりするのはそのためです。
頭痛になる仕組みは高山病と一緒?
気圧が下がって血管が拡張するという状態は、低血圧で血管が拡張しているのと同じ状態と言えます。つまり天気が悪くなって頭痛がするのと低血圧で頭痛がするのは仕組みが似ているのです。
そして低血圧で頭痛やめまいがすることがあります。これは血液の流れが悪くなって十分な酸素が供給できないことで起こります。
酸素は血液にのって体内に運ばれますが、貧血になると血管の隅々まで血液が行き渡らず酸素も足りなくなります。酸素が足りないというのは、たとえば高山病で頭が痛くなるのと似た状態です。高山病は標高が高くなるにつれて気圧が下がることで酸素が足りなくなるので、考え方は似ているかと。
つまり「雨が降ると高山病になる」ということです(違
頭痛は自律神経とも関係が?
気圧が下がると自律神経のバランスが乱れて、副交感神経が活発になると言われています。これは睡眠中などのリラックスモードです。
このとき血管も緊張を解くので拡張します。つまり気圧が下がると様々な条件で血管が広がるということです。
では、頭痛の対処として暖める方法と冷やす方法がありますが、今回の場合はどっちだと思いますか?
この頭痛は暖めるのと冷やすのどっちが正解?
もうわかりますよね。血管が拡張しているのだから、収縮を促すために冷やして緊張させるのです。頭痛がする場所を冷やして、血管を収縮してあげれば神経の圧迫がなくなって痛みは和らいできます。
また高山病説を信じるならば、血流を促すために水分を取るとか軽い屈伸運動をしたり、深呼吸をして酸素を多く取り込むのが効果的です。これによって血管の隅々まで血液と酸素を行き渡らせることができれば、徐々に頭痛やめまいは和らいでいくでしょう。
自律神経のバランスを整えるなら、コーヒーや紅茶のようなカフェイン入りの飲み物を飲むことで体を緊張と興奮の状態に持って行ってくれるでしょう。血管を収縮する作用も期待できますね。
コーヒーや紅茶などのし好品は、気持ちはリラックスさせてくれるかもしれません。でも身体的には興奮剤の役割を果たします。
さいごに
最初にこの記事を書こうと思った方向とは内容がずいぶん変わりました。
自分も雨と頭痛の関係で冒頭に書いたような「気圧が下がると血管が拡張して頭痛につながる」という説明と同程度の知識で、この記事もその延長線上になるはずでした。
でも低気圧の仕組みとか、それがなぜ血管の拡張につながるのかといった途中経過が納得できずに何か消化不良、中途半端に感じていました。それを埋めるために考えた結果が今回の記事です。
これまでも頭痛に関係する記事を書いたときよりも知識が整理された気がします。たとえばいつも血圧と血管の収縮と拡張の関係で迷うんです。気圧との関係も含めることで考えが補強された気がします。
でも自分は専門家ではないので、まだ間違いや勘違いはあると思います。なので最終的には専門家の意見を尊重してくださいね。
傘の上手なさし方と雨に濡れない歩き方を知れば雨の日も怖くない!
寝過ぎの頭痛を改善するには?寝たのにあくびが止まらない人も必見!
食べ過ぎが頭痛の原因?内臓疲労と血管の拡張と収縮も関係あり
肩こりや頭痛が慢性化しているなら目の疲れを疑ってみる