何年か前の花見シーズンまっただ中。私たちのグループが花見をしていたら、周りでも何組かが花見を楽しんでいました。宴会が進んでくると、トイレに立ったついでに私たちのグループの料理の様子見を始める人もちらほら。
そんなことをきっかけに、おもしろいことが起こりました。
花見の準備は潮干狩り!?
私たちのグループでは、4月の初めの日曜日に花見をするのに、何日か前から夕方の潮のいい日に潮干狩りに出かけてアサリを採り貯めていました。仕事が早く終わる人たちはすぐに準備して潮干狩りスポットに集合です。暗くなるまでにけっこうな量のアサリを採ってきました。
そのアサリを花見前の土曜日までに砂を吐かせて、料理ができる状態にしておきます。殻付のまま料理するものは、砂を吐かせた状態で生かしていましたが、むき身を使う料理もあるので、ある程度の量は、土曜日に一度ゆでて殻を外しました。
その勢いで、むき身の一部を使って佃煮も作っちゃいます。そして花見当日の日曜日の朝、家でアサリの炊き込みご飯を炊いて持って行きました。
早朝から場所取りをする係の人たちは、現場でブルーシートを敷き、会場準備です。昼からの花見に備えて、昼前にはみんな現地に集合し、現地で作る料理の準備も整えました。現地で作る料理は、アサリの味噌汁、アサリの酒蒸しです。
アサリづくしで豪華でしょ?
わいわいがやがや、周りの人にも美味しさ伝わる
お花見の会場は香川県さぬき市のみろく公園です。この公園は、芝生公園やアスレチックコース、池の畔の散策路などいろいろなところに桜がたくさんあり、花見シーズンには家族連れや会社や地域のグループなどがあちこちでお花見を始めます。
家族連れだと池の畔の桜並木の下で小ぢんまりとお弁当を広げて楽しむのですが、ある程度の規模のグループだと芝生公園に陣取ってお弁当を広げたり、バーベキューをしたりというパターンが多いようです。私たちのグループも芝生公園で美味しいものを食べながら楽しくわいわい騒いでいました。
お花見料理を現地で作る その香りが人を呼び寄せる
私たちのグループは、アサリづくしの料理で花見に臨みました。もちろん全てを現地で作るわけにはいきませんので、前日にアサリの佃煮、当日の朝にアサリの炊き込みご飯を作り、現地では、アサリの味噌汁、アサリの酒蒸しを作りました。
この料理をしている香りがちょうど風向きも良かったのでしょう。周りの花見客の嗅覚に届いたようです。トイレに立った花見客がわざわざ少し遠回りをして私たちの料理を様子見に来る人が何人もいました。
そのうち、バーベキューの肉をお皿にもって「アサリのいい匂いがするのですが、少し分けてもらえませんか?」と物々交換を申し入れてくる人が現われたのです。
料理はたくさん作っていましたので「よろしかったらどうぞ」と分けてあげると、それを見ていた別の人がお寿司を持って来て「あなた方のアサリのいい匂いがして、どうしても食べてみたいのです」と交換をお願いしてきました。
買ってもいないアサリが美味しい料理に換わっちゃった
次々といいものに交換したわけではないのでわらしべ長者ではありませんが、自分たちで採ってきた原価のほとんど掛かっていないアサリが美味しい肉やお寿司に換わりました。
もちろんアサリの料理は美味しかったので、それ自体もお花見の大きな楽しみです。でも予想もしていなかったバーベキューの肉やお寿司まで食べることができるなんて、本当に満足感の大きなお花見にでした。
隣の料理が美味しそうだなと思ってもなかなかそれを貰いには行けません。意を決して交換を申し出てくれたおじさんがいなければ、このような思い出深い体験はできなかったと思います。
これからもこのような物々交換はそんなにないでしょう。でもお互いに満足できるのであれば、けっこう「あり」だなと思いました。
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