自分は「以前は本を読むことに苦労しなかったのに今は…」と集中力が続かないことをネガティブにとらえていました。
網膜剥離と白内障をやっているので、身体的にも集中力を使わなくてはいけなくなっているし、年齢的にも集中力を保つのは難しくなっています。
だからって「集中力が持たないから本を読むのやーめた」とはなりません。
じゃあどうするかというと…読書術の本とかを読んで自分で試してみたところ読み方を変えるのが手っ取り早く試せて効果的でした。どんなふうにしてみたかというと…。
読書の集中力が続かないのは読み方が悪いから!?
子供のころからいろいろな本を読みました。でもその頃の読み方は集中力が続く人の読み方だったのです。いまの自分には合っていません。
読書を再開することができた直接的な要因は聴く読書(耳読)を取り入れたことです。
そして読書術に関する本で「読み方を変えるべき」と知りました。いまのやり方が自分に合わなかったら、新しいやり方を取り入れてどんどん変えていけば良いんです。
集中力が続かない読み方は大きく3つあります。
1ページ目から読みすすめている
「せっかく買った本だからもったいない」と1ページ目から読み始めると、たいてい集中力が持ちません。
小説などストーリーのある本はしょうがないですが、知識を得る系の本の場合は1ページから律儀に読んでいると集中力が続きません。
その理由は、著者が主張したい具体的な内容が1章に書かれていることは少ないからです。
起承転結ってあるじゃないですか。1章目は「起」に当たる部分なので本のテーマに興味を持ってもらったり、読み進めるうえでの前提知識と共有するために使われていることが多いのです。
興味を引くために書かれているはずなのですが、その本を読みたいと思った読者の動機からは離れた地点からスタートしていることもあるので興味が続かない、つまり集中力が続かないのです。
「本は3章から読め」とか「章や節の最初と最後の段落を読めば言いたいことはだいたいわかる」などと主張している人もいるくらいです。
最初から最後まで通読している
先ほどの「1ページ目から…」と似ていますが、最初から最後まで一字一句を読む読書は集中力が続きません。「まだこんなにページ数があるのか…」と意識すると途端に気力がなえてきます。
「全部読むのが読書」「大事なことが書かれているかもしれないからもったいない」と考えがちです。この読み方は読書から自分を遠ざけてしまいます。めんどくさいもん。
書籍の中で著者が言いたいことは、全体の2割と言われています。
同じようなことを何冊も本を書いている人がYoutubeで言ってました。それ以外の部分は興味を引くための導入だったり、本という形にするための文字数稼ぎの場合もあるそうです。
読者側からみても「読者が必要だと思う部分は全体の2割」と言われています。
あるときは「Aについて知りたい」別のときは同じ本でも「Bについて書かれていたはず」と、その時々によってその読書から得たい情報も違います。
つまり興味がある部分は一部でしかないのです。それ以外の大部分は興味のないこと。これでは集中力が持続するわけがありませんよね。
内容に興味が無い部分は集中できないだけでなく、時間もかかります。最初から最後まで通読する読み方では集中できないのは当たり前なのです。
長時間読み続けている
若い頃はねー、できたんですよ。1日10時間ぶっ続けで本を読むことが。読むスピードは遅くてもずぅっと読んでいられました。「興味のない8割」も含めてね。
自分の場合は網膜剥離と白内障をやってから文字を読むことがツラくなったことも関係していますが、いまは30分も本を読み続けることはできません。
焦点を合わせるのに苦労したり、他のことに気がそがれます。メガネをかけても、です。挙句に飽きてしまいます。
普通の人でも普段から読書の習慣が無い人ほど「さあ読むぞ!」と意気込んで長時間の読書をやりがちです。
せっかくだからガッツリ読みたいと思っても意気込みは良いですが、それ自体がハードルになって読み始めることがおっくうになってしまいます。
また、集中力の限界は1時間とも90分とも言われています。長くても2時間くらいだとか。いろいろな説があって、どれが本当に正しいのかは不明ですが、思ったほど長くないのは確かです。
しかもたぶんこれは、興味があるかどうかに大きく左右されると思います。身に覚え、ありませんか?
そして限界を超えて読書を続けても、内容の吸収力は落ちています。長時間勉強したところで見にならないのは、同じ理由でしょう。
集中力が続かない人に適した読み方は?
集中力が続かない原因がわかれば、対策ができます。読み方を変えれば良いのです。
簡単に言えば休憩をはさむことです。何をきっかけにして休憩をいれるかはご自身の好みで使い分けたり、その時々によって変えてみるのも新鮮で良いかもしれません。
読むページ数を決める
たとえば「読書は10ページだけ」と決めてしまうのです。読み終わるまでの膨大なページ数を考えると集中力は持ちません。でも10ページなら何とかなると思いませんか?
もし10ページ目が中途半端なところで終わっても読書終了。次の機会に中途半端な文の最初から読み始めれば良いのです。
この「途中でやめる」というのは記憶術とかタスク管理などでも使われているテクニックです。
わざと中途半端な状態にしておくと気になる、続きをやりたい気持ちが持続するという心理を利用しています。
区切りの悪い文で終わっていたら気になって読みたくなるじゃないですか。「区切りのいいところまで読んでから」という気持ちをあえて押さえて、次回の読書への動機付けにするのです。
でも、気になっているうちに再開しないと意味ないですよ!
読む章や節を決める
区切りの良いところまで読みたい!という人は1つの章、1つの節だけ読むとすると集中できます。
1つの節なんて、3ページくらい敷かない場合が多いじゃないですか。あっという間です。読み足りなくて2回3回くらい読み直すかもしれません。
いいんです。読み直して。それだけ読書効果は高まります。意味は違いますが「7回読め」という読書法もあるくらいですから。
物足りないくらいで止めるのも、先ほどの「10ページ読む」と同じような効果があります。つまり「もっと読みたい」という気持ちを次回の読書への動機にするんです。
逆に言えば「休憩をいれるまで読書をしない」ともいえるかもしれません。これも記憶術にあるんですが「覚えた直後に寝た方が記憶の定着率が高い」のです。
読書に応用すれば、読んだ内容が忘れにくくなるということです。
読む時間(分数)を決める
さきほど「集中力の限界は1時間とも90分とも言われています」と言いました。ご自身の集中力は何分くらいですか?
それに合わせて読書時間を短く区切ってしまうのです。ポモドーロテクニックというのを聞いたことがありますか?
ポモドーロテクニックは、25分作業して5分休憩するサイクルを繰り返す時間管理術です。自分にとっては25分も長かったので15分作業の15分休憩にしてみたらやりやすく感じました。
気分が乗ってきたらすぐに次の15分に突入してもいい。でも15分で一度達成感を味わいます。
Twitterでもツイートしてましたね。
集中が続かなくなった今は、ポモドーロの25分も長く感じる。
これを作業時間と休憩時間を共に15分にしてみたらちょうど良かった。15分は短い?だからこそ「もっとやりたい」の気持ちが持続するの。
休憩は15分全部休憩しても良いし、一部を次の作業の準備に当ててもいい。
— mono3 楽天ROOM&Amazon (@Mono3Nao) June 2, 2021
タイマーを使わずに読み続けるより、タイマーが鳴るまでの間は時間を無駄にしないように、他に気をとられないように、と集中力が上がっている気がします。息を止めて一気に読んでいるような感じです。
休憩をはさむ
ひと区切りついて、もう少し読み続けたいときもあるでしょう。そんな時は休憩をはさみます。
5分10分の短時間目を閉じたり、ちょっとした仮眠をとるだけでリフレッシュできます。ガッツリ寝てしまうと逆に疲れてしまうそうなので、ほどほどに。
このときもアラームを活用すると良いですね。チラチラ時計を見ながらでは気が休まらず、休憩になりませんから。
また、ちょっとしたストレッチをするのも良い休憩になります。
- 屈伸をする
- モモを高く上げて足ぶみ
- 伸びをする
- 前屈をする
何でも良いです。筋肉をほぐすちょっとした動き。
運動なんてしたくない、するスペースが無い、できる場所じゃない、という場合は、飲み物のおかわりをもってくる、トイレにいくなどでも違います。
読む本を変更する
意外かもしれませんが、本を読み疲れたら別の本を読むのもリフレッシュになります。たとえば語学学習の本を読んで、次に小説を読む、その次はエッセイ本を読む、みたいな感じです。
1冊の本を読み続けるから集中できないのです。飽きてしまうのです。本が変われば気分も変わります。
集中できないんだから、素直に「本日の読書は終了」としても良いと思います。でも仕事関連の知識を深めるために関連書籍を読まなくてはいけない場合などは参考にしてみてください。
先ほどの15分ごとに作業と休憩を繰り返すテクニックで、15分ごとに数冊の本をローテーションしてみると興味と集中が持続できるかもしれません。
なお、同じジャンルの本を複数冊同時並行で読むのは勉強法、記憶術の面から見てもメリットがあります。
- 複数の本に同じ内容が書かれていれば外せない基礎・基本である可能性が高い
- 複数の本で同じ内容を何度も読むことになれば復習と同様の効果が得られる
- 複数の本で同じ内容でも別の言葉で表現されていると理解が深まりやすい
知識が増えることで周辺知識への理解も深まりますし、理解への時間も短縮されます。ちなみに、速読ができるようになる原理も同様です。
すでに知っている事柄が書かれた文章は速く読めるし、すぐに理解できます(理解しているのだから当たり前)。
さいごに
読書に集中できない理由は、ここで紹介した以外にもたくさんあります。今回は「読み方」に注目してみました。
読書に集中できるときもあれば、できないときもあります。
本を読みたいと思ってもすぐに飽きてしまうのであれば、読めない自分を責めるのではなく、読み方を工夫して1歩でも半歩でも前に進みましょう。
いまの自分はもう少し別のアプローチをしていて、目を使う従来の読書と耳を使う耳読と知識を整理する読書メモを組み合わせています。まだまだ改良中です。
こうして文字にしてみる大変そうだなと自分でも思いますが、習慣化できています。楽しいです。
でも集中力は落ちているので、この記事でも書いたように集中する時間・作業する時間を短く区切って休憩を頻繁にとるようにしています。休憩が長すぎることもありますが。
網膜剥離と白内障のあと、パソコンで文字を読むのも続かない時期がありました。いまでも本の文字だけを追うのは苦手です。
そこで読書術の本とかを読んで、ここに書いたようなことを知り、自分に取り入れるようにしたら読書の習慣が戻ってきました。
前にも同じようなテーマで記事を書いた気が…基本的に本を読むのは好きなので、良い方法が無いかといつもアンテナを張って探し、試しているのですよ。