名作アニメ「ガンバの冒険」が3DCGで「GAMBA ガンバと仲間たち」として映画化されることをいまさら知りました。公開されている予告動画を見たら、アニメ版も原作も見ている身としては複雑な気持ちです。
デザインは原作を参考にしたそうです。キャラクターが7匹なので名前はアニメベース課と思うとシジンがいません。かわりにマンプクがいます。ちなみに原作では仲間が15匹です。
参考:『GAMBA ガンバと仲間たち』声優発表、梶裕貴がガンバ役で出演 ヒロインを演じるのは神田沙也加さん - ファミ通.com
キャラデザインは…賛否あると思います。アニメを知っていて、好きだった人には特に。
原作とアニメ、ともにファンの多い作品
印象の大半はアニメ版「ガンバの大冒険」
アニメ「ガンバの冒険」は小学生のころ、テレビ東京での再放送をみていました。ガンバたちの冒険の日々、倒すべき敵のノロイの恐ろしさ、何もかもが楽しみで毎回かぶりつきで見ていた記憶があります。
港で開かれているネズミたちのパーティ。そこに傷だらけの小ネズミ、忠太が転がり込んでくる。残忍な暴力と恐怖で故郷の島を支配している、巨大な白イタチのノロイを倒す力を貸して欲しいと言う忠太に、ネズミたちは冷たい。しかし、ガンバを始めとする勇敢な7匹の仲間が集まり、冒険の海へと船出する。
ガンバの冒険 - Wikipedia
ガンバの声優はドラゴンボールの孫悟空、ど根性ガエルのヒロシの大御所 野沢雅子なので元気と勢いのあるキャラなのは保障つきです。
話数は26話の2クール(半年)。先日まで放送していた「ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース」は4クール(1年)なので、いま思うとさほど長くはありませんが、子供のころの感覚ではずっとやっている気がしていました。
だから終盤になって、そろそろ終わるのかな?と考えるのと寂しかったのを覚えています。OP/EDも必聴です。オープニング曲は勢いと元気を、エンディング曲はトラウマをいただけます。
OP 「ガンバのうた」 河原裕昌 ← 俳優の「河原 さぶ」です
ED 「冒険者たちのバラード」 すぎうらよしひろ
仲間は15匹だった原作「冒険者たち」
その原作「冒険者たち」は、小学生のときのクラスのルールで「一年で100冊本を読む」みたいなのをやっていて、その一環で読みました。
子供のころの100という数字は膨大です。本来ならページ数の少ない本を大量に早く読む方が効率的ですが、「冒険者たち」はページ数が多くて(800ページくらいだったかな?)手にとるべき本ではありません。
でもガンバの冒険の原作と知って、読まずにはいられませんでした。
いや~おもしろい!アニメのイメージを重ねつつ、省略されていたエピソードを楽しみながら、結構ながい期間をかけて読みました。読むのが遅い(1ページ1分くらい)ので数ヶ月かかったと思います。
大きな違いは仲間の数。アニメ版は7匹なのに対して原作では15匹です。アニメ版では何匹をモデルにまとめて7という数に落ち着いたようです。最小で最高のバランスを考えると3ですが「7人の侍」以降、7という数字もよく使われます。
いまでは文庫版が出ていますが、やっぱりでかい単行本の方に思い入れがあります。でもKindle版を買えばどっちも一緒か。
子供に読み聞かせる親御さんもいるとのこと、一家に一冊あってもよいほどの良質な児童文学です。ほかにも「ひげよ、さらば」とか「100万回生きたねこ」とかも小学生の時に読んだ100冊の中にありました。「ひげよ、さらば」はNHKの人形劇もあって、見てました。
「100万回生きたねこ」はいまだに舞台でやったりしています。深田恭子主演でミュージカルになっていたとは驚きです。
いま、大人が読んでも心に来る作品たちです。
ディズニーやピクサーへの対抗意識?
さて問題の最新の予告動画。みんなネズミですね。
ジャパニメーションのよさを否定するような、海外向け作品七日と思わせるほどに別物へと生まれ変わっています。日本でもいまのアニメ世代にはこちらの方が親しめるの?
個人的には「どうしてこうなった」です。
ドラマ「ど根性ガエル」>のピョン吉の例をとっても最新技術で日本的なキャラデザを再現することは可能です。なのになぜこの方向に行ってしまったのか。
「ガンバ」が親しまれ続けるのは嬉しい
ガンバの物語が好きな一人の人間として、こうやって何十年も経ってからその名前を聞くのはうれしいことです。
昔ながらのファンへのサービス作品ではないでしょうから、媚びる必要はありません。新しいファン層を獲得して長く人の記憶に「ガンバ」の名前が残ることのほうが有意義でしょう。
でもね、子供のころからのファンとしてはアニメも原作も見てほしいなと思うわけです。そんな「GAMBA ガンバと仲間たち」は2015年10月10日(土)全国で公開します。