「うれしいひなまつり」という童謡の歌詞に間違いがあるというのは知っていますか?大きく2か所にあります。
作詞をしたサトウハチローは、これを恥ずかしく思っていて曲が流れるたびに「消してくれ」というほど嫌っていたそうです。まさに”黒歴史”というやつです。
この有名になりすぎた曲のおかげで雛人形の左右の並びがどっちが正解なのか、わけわかんなくなってます。
時間を考えればわかるとしても、子供のころに「右はお箸を持つ方の手!」と覚えたようにワンクッション入れないと正解が出てきません。
みなさんは即答できますか?
うれしいひなまつり 歌詞の間違いとは?
有名な話なので知っている人も多いでしょう。いろいろなブログにも書かれていますからね。
作詞をしたサトウハチローは軽い気持ちで作詞をしたそうで、間違いに気がついたときにはすでに遅く、曲が有名になりすぎてしまって訂正も使用禁止もできなくなっていました。
お内裏様とおひな様は誰の事?
1つ目は2番の歌詞です。
お内裏様と おひな様
どこがおかしいの?というくらい一般化していますが、全然違いますよ。
お内裏様と言っているのは男雛(おびな)のことで、おひなさまと言っているのは女雛(おびな)と言うべきところです。
本来の意味では、男雛と女雛を合わせてお内裏様といいます。そしておひな様は、お内裏様、三人官女、五人囃子、随身、仕丁の全てを合わせた総称です。
右大臣は白酒を飲んでません!
2つ目は3番の歌詞です。
赤いお顔の 右大臣
向かって右側に飾っている、ちょっと赤ら顔?色黒?な方を右大臣と言っています。そう「右側」だから間違っちゃったんです。
彼は左大臣。もちろんお酒なんて飲んでません。
右側にいるのに左大臣だから混乱してしまうんです。そしてこの混乱は男雛と女雛の位置が逆になることもあって、さらに増します。
男雛と女雛の左右はどっちが正しい?
一言で言えば「男雛が上座に座る」となります。が、上座が右だったり左だったりします。
京都をはじめとする関西方面では、向かって男雛が右で女雛のが左に座るのが正しい位置です。が、関東の方では逆になります。向かって男雛が左で女雛が右に座るのが正しい位置です。
これは京都が都だったころ、つまり日本古来の考え方では陽が昇ったときに先に陽の光を受ける方を上座としていました。
京都御所は南方向を向いているので、東側つまり左(向かって右)が上座になります。
さて時代は流れて、明治維新で西洋の「右が上位」という考え方が入ってきて、天皇の即位式のときにも西洋風の「右が上位(上座)」という並びになったことから、関東ではこちらが広まり、雛人形もそれにならいます。
それまでは認識が曖昧でしたが、じつは名探偵コナンではっきりと知ることができました。
huluに入っている人は確認してみてください。シーズン6の313話「夕日に染まったひな人形(後編)」で確認できます。少年マンガだとかアニメだとか言ってバカにはできませんよ。
西洋の右が上位というのは、コナンが言う明治維新ではなく大正時代という説もありますが、コナンのトリック説明よりも納得できます。
右大臣と左大臣の位置は逆じゃないの?
ここで右大臣と左大臣の登場です。並び順はどちらが正しいでしょうか?
よくある疑問に「右大臣と左大臣は、どっちが偉いの?」というのがあります。すでに左右どちらが上座なのかを知っているあなたなら、間違えることはないでしょう。
つまり左側(向かって右)に座っている左大臣の方が偉いんです。人形も右大臣は若く、左大臣は老人のように作られていますしね。
でもまってください。
関東の方では右が上位のはずです。でもそうはなっていません。全国的に左大臣は左側に座っています。なぜでしょうか?
これにもちゃんと理由があります。お内裏様(男雛と女雛)以外は、お内裏様から見て右か左かと考えるのです。
右大臣と左大臣が逆に座ったとします。するとお内裏様から見れば、右大臣が左で左大臣が右に座ることになります。
向かってみる私たちからは正しそうに見えても、彼らのお殿様であるお内裏様から見れた間違った並びになるということです。
まとめ
右と左のどちらに並ぶのが正しいのか、上座と下座はどっちなのか、見てきました。大丈夫ですか?理解できましたか?
こんなややこしいんですから、サトウハチローの歌詞が間違っていたからと言って攻められるものではありません…よね?
もう一度復習です。
- 関西のお内裏様は左(向かって右)が上位(上座)
- 関東のお内裏様は右(向かって左)が上位(上座)
- それ以外はお内裏様から見て左(向かって右)が上位(上座)
もう大丈夫ですね?
うれしいひなまつりの歌詞の意味を知りたい人は「ひな祭りの歌は悲しいだけ?うれしいひなまつりの新しい解釈」をどうぞ。
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