ノロウイルスに感染すると吐いたり、下痢をしたりします。そして大変なのが後処理。消毒をきっちりしないと家族が次々と二次感染してしまいます。
カーペットに嘔吐すると繊維の奥まで入り込むので完全に取りきるには手間がかかります。さらに臭いまでとなると本当に根気のいる作業です。
しかも片付けた矢先にすぐ嘔吐&下痢が襲ってきて追いつかなくなると軽いパニックにもなります。マジで。
こんなやっかいなノロウイルスによる嘔吐の後をできるだけ手間をかけずに簡単に消毒と消臭をするには、あるものを使うのが良いでしょう。
ノロウイルスで嘔吐したカーペットの処理どうする?
たぶんネットなどでいろいろ調べましたよね。カーペットに吐いた後の処理方法。早くしないとシミになるし、何より怖いのが二次感染で、家族が全員感染するという話しもよく聞きます。
一般的にノロウイルスを消毒するには次亜塩素酸ナトリウムが有効で、アルコール消毒では全く効果がないと説明されています。
次亜塩素酸ナトリウムとか聞いてもピンときません。過程で手に入りやすいものとしては、塩素系漂白剤の代名詞ともいえるハイターといえばわかりやすいですね。ただしワイドハイターは酸素系漂白剤なので効果がありません。注意しましょう。
そして面倒くさいのがここからです。塩素系漂白剤は現役のまま使うわけにはいきません。通常は何倍にも薄めて使うものです。
薄めると簡単に言っても高濃度で作ると色落ちがひどくなりますし、薄く作れば効果が落ちます。それを簡単にパパッと作れる人って多くいませんよね?
通常、嘔吐物や便の後処理として消毒する場合の濃度は0.1%です。これは500mlのペットボトルにキャップ2杯分のハイターを入れて作るのが簡単です。
このとき、水を先に入れてからハイターを入れると素早く水に広がりやすいでしょう。先に入れてしまうと濃度が偏りやすいので、ハイターを後から入れたときよりもよく振らないといけません。
# お酒で水割りとか作るときも同じ。下の方が濃くなる人は順番を逆にしましょうね。
他には、普段使いできる消毒液は2Lのペットボトルにキャップ2杯分のハイターを入れて作ります。
ただ、塩素系漂白剤なので色落ちする可能性があるのは避けられません。この消毒液は「ノロウイルスを消毒するために必要な濃度」であって「カーペットを傷めないための濃度」ではありません。
ノロウイルスの消毒はペットシーツを使うのが簡単♪
漂白剤よりもカーペットを痛めにくくて有効なのは熱湯消毒です。
衣服などについたノロウイルスには、85℃のお湯で1分間熱湯消毒するのが一般的です。でもカーペットの場合は温度の維持が難しいという理由で、1ヶ所に2分間の熱湯を当て続ける必要があります。
たとえば毛足の長いカーペットでは奥まで届く前に温度が下がってしまいます。これが温度の維持が難しい理由です。
そこで注目されている熱湯消毒のが「千葉県長生保健所が考案した」というペットシーツを使う方法です。
必要なもの
- ペットシーツ
- タオル2枚
- レジャーシート
- 熱湯
ペットシーツというのは、ペットのトイレの下に敷く吸水性の高いシートのことです。また、レジャーシートは100均で買えるようなビニール製の物で十分です。
物さえそろってしまえば消毒方法は簡単です。
- 嘔吐物をできるだけ拭き取る
- ペットシーツの吸水面を上にして嘔吐したところにかぶせる
- ペットシーツに熱湯をかけて染み込ませる
- レジャーシートでペットシーツを覆う
- タオルでレジャーシートを覆う
- 冷めるまで待つ
熱湯をかけ続けなくてはならない従来の方法に比べれば手間がかかりませんし、熱湯の量も少なくてすみます。なによりも「やり続ける必要がない」というのが一番です。
ポイントは吸水面を上にするということですね。
そしてこの記事の目玉。もっと良い方法を紹介しましょう。
スチームクリーナーはカーペットの臭いまで取れる!
それはスチームクリーナーを使う方法です。たしかに、ペットシーツを使う方法は一番簡単で安上がりな方法でしょう。
でもこの方法、消毒のことは考えられていますが、消臭のことまでは考えられていない気がします。ウイルスを殺菌できても嘔吐物のほのかなにおいが残っていたら「きれいになった」と言い切れないと思いませんか?
以前からスチームアイロンでの消毒が有効だとは言われています。熱による消毒なので効果はありますし、消臭にもなるのでこれで解決するかというとそうではありません。
問題はスチームアイロンの85℃のスチームが出るまでの時間とそれを維持し続けるパワーが不足しています。衣類であれば薄いですし裏表からスチームをかければ良いでしょう。
でもカーペットの場合は表面からスチームを当てても裏面まで熱が伝わるとは限りません。
その点スチームクリーナーなら温度もパワーもスチームをかけ続ける時間もクリアできます。しかも疲れずに。それなりの大きさのものを使う必要はありますが。
さらにスチームクリーナーの良い点は普段の掃除にも使えるということです。フローリング、カーペット、畳まで仕上げの水ぶきに使えます。
また、年末の大掃除で換気扇やコンロのようなキッチン周りの油汚れを落としたり、お風呂場の水垢を取るのにも役立ちます。
大型のものだと収納スペースが必要になりますが、これ1台あるといろいろなシーンで「掃除の労力が軽減される」というのは長い目で見れば悪くないはずです
代表的なスチームクリーナーのタイプを紹介します。個人的なおすすめはスティックタイプか掃除機タイプです。
検討するかどうかは別にして、掃除機タイプの説明は一読の価値があります。結局は自社製品のための広告ではありますが、各タイプのメリットデメリットが一目瞭然でわかりやすいです。
自社(掃除機タイプ)以外のタイプについて特徴を比較すれば客観的な判断に役立つでしょう。
スティックタイプ
掃除機タイプ
ハンディタイプ
ノロウイルスやタロウイルス対策だけで使うならハンディタイプでも十分かもしれませんが、これならスチームアイロンでいいのではないかとも思うのです。
また、本来の「掃除をする道具」として考えた場合には、ハンディタイプはパワーが弱くて吸水を頻繁に行わなくてはなりません。購入後、そこに不満を持つ人もいますのでよく考えるべきでしょう。
さらに、ハンディタイプではなくても5,000円前後の安いものはパワー不足や使い始めに時間がかかるなどの何かしらの欠点があるので避けた方が無難です。
少なくとも1,0000円以上の商品を視野に検討すれば最低限のものが手に入るでしょう。
さいごに
ノロウイルスに感染してカーペットに嘔吐したときの消毒方法を紹介しました。
従来のハイターを使う方法でも手早い準備と適切な処置ができるなら、ここに書いたことは全く不要ですね。でも年に数回あるかないかの出来事ですから「そのとき」になると動けないものです。
ペットシーツも、どの家庭にもあるとは限りません。まあシーズンになったら買い置きしておくくらいはできますね。
食べこぼしや大掃除で毎回苦労した、あのときの姿を思い浮かべてみてください。ノロウイルスの消毒という狭い視点ではなく、新しい掃除の方法としてスチームクリーナーを取り入れる良い機会かもしれませんよ?
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