稀にですが、骨折しているのに痛くないとか腫れないということがあります。さらに骨折の瞬間も痛くないとしたら…いま悪いこと考えたでしょ！
痛みが少ない骨折、腫れにくい骨折などを紹介します。でもリスクはあるんですよ。
骨折しても痛くないことはあるの？
基本的に骨折は痛いものです。どんなにきれいに折れていたとしても痛みはあります。ですが、軽い痛みで骨折とは気づかないということは稀にあるそうです。
- 橈骨遠位端骨折（手首）
- 舟状骨骨折（手首）
- 大腿骨頚部内側骨折（股関節）
橈骨遠位端骨折や舟状骨骨折というのは、ころんで手をついたときにおきることがあります。よくあるのが橈骨遠位端骨折は高齢者、舟状骨骨折は若い人がスポーツ中になったりします。
ただし橈骨遠位端骨折は、痛くないことがあるといっても高齢者は骨が弱くなっていることも少なくないので複雑骨折するかもしれません。その場合はやっぱり痛みがあります。
また、舟状骨骨折の場合はスポーツ競技中なら興奮状態、アドレナリンがドバドバ出ているので痛みを感じにくいというのもあるのではないかと考えることもできます。時間が経って落ち着いてから激痛が走るということは当然考えるべきでしょう。
大腿骨頚部内側骨折はあとで骨がずれて痛みが増すこともあります。高齢者の場合は、これがきっかけで寝たきりになることもあります。
中には、腓骨という膝から足首までの2本の外側の骨が折れたのに自転車に乗って病院まで行ったという例もあります。
これらや自分の経験からわかることなのですが、骨折直後は折れたという事実が認識できない場合、たとえば「打撲かな？」と思っていると痛みをさほど感じないかもしれません。
骨折箇所の形が変わっていたり、内出血で色が変わったり、明らかに腫れているのが判明したら、同じように骨折直後だったとしても痛みはすぐにやってくるかもしれません。
たとえばアドレナリンによる興奮状態の場合や生命の危機の場合には痛みを感じることなく、普段以上の能力（火事場のバカ力）を発揮することができるでしょう。
まあ、普通は骨折したら痛いってことで。
骨折しても腫れないことはあるの？
痛みがあるかどうかは精神的なものも大きいですが、腫れるか晴れないかについては気持ちでは制御できません。制御できないからと言って絶対に腫れるわけではありません。
骨折のときに腫れるというのは、折れた骨からの出血と周囲にある組織の損傷や炎症が原因です。また、骨を覆っている骨膜（こつまく）というサランラップのような薄い膜が破れない程度の骨折の場合には腫れないこともあるので素。
でもそんな都合の良い折れ方をすることは多くありません。たいていは打撲や打ち身が伴うでしょうから、筋肉組織の損傷なんかも含めて腫れるのが普通です。
腫れない骨折の中で比較的やりやすいのは疲労骨折でしょうか。相当昔にテレビで小学生の「スクワット大会」みたいなのを放送していて、350回くらいやった子が疲労骨折したとか何とか。おすすめはしませんが。
もちろん年齢をはじめ骨密度とか筋力量とかさまざまな条件によって、この程度では心地よい疲労感の人がいるかもしれません。正しい姿勢でやらなかったために適切な負荷がかからず骨折に至らないかもしれません。過度な期待はしないように。
ただし腫れをひかせることはできます。それは冷やすことです。
氷水に患部を突っ込んで常に冷やす。そして長時間冷やす。とにかく冷やす。そうすると病院で治療してもらうよりも早く腫れをひかせることはできます。が、骨折の治療にはなりませんよ。
また、冷やした後に温めることで晴れた個所（組織の破壊や損傷）の修復を早める効果があるそうです。これは聞いたことがあるだけで、よく知りません。
骨折しても痛くない方法はある？
これまででだいたい答えは出ていますね。軽微な骨折なら痛みも少なくて腫れも押さえることができます。つまり、はく離骨折です。はく離骨折をして、氷水で腫れを抑えれば痛くもなく腫れもない骨折をすることはできます。
が、そんな骨折にどんな意味があるでしょう？
この記事を見ている多くの人は、骨折をして何かをやらずにすむ口実を作りたいのだと思います。プレゼンを休みたいとか、水泳の授業に出たくないとか。見た目にケガをしているとわかるからこそ意味があるのではありませんか？
目指すなら痛くないけど腫れている骨折ですよね。だとしてもやっぱり、はく離骨折ですね。
ただしその結果、必ずしも幸せになれるとは限りません。骨折をするということは、それだけでリスクを伴うからです。この過去記事を見て、本当にその行為に後悔はないのかを考えましょう。
自分の場合は「あ、これやったら骨折するな」という力加減の限界を知ることができました。イラっとして壁ドンするときも感情に任せてはいけないのです。
さいごに
痛くない骨折、腫れない骨折について書いてみました。
いくら痛みや腫れがないとしてもリスクもゼロではありません。やってしまった後も完全に治るとも限りません。次は折れないように強くなるというのも安易に信じてはいけません。骨折しにくいけど後遺症の痛みは消えないということだって考えられるのですから。
「痛みも腫れもないけど骨折していることはある」という1つのケースとして覚えておいて、あやしいなと思ったらレントゲンを撮ってもらうのが一番です。どんな形でもくっついてしまってから違和感があっても治せません。
それにね、骨折したらやっぱり痛いんですよ。