私が小学生だった時の話です。当時の私は、どちらかというとお調子者で学校行事の体育大会や学芸会などは、はりきるタイプでした。なかでも学校行事で楽しみにしていたのが遠足です。
大人になってしまった今は行きたいところへ時間が許せば行くことができますが、小学生の行動範囲は公園や友達の家など限られていて、遠くに行くいう行事が楽しみで仕方ありませんでした。
遠足では、大仏を拝みながら、鹿とあそんだり、山のぼりを体験したりと楽しかった思い出がたくさんあります。しかし、楽しかった思い出の中でも唯一忘れられない体験もあります。
それは潮干狩りです。
学校行事の遠足で初めての潮干狩りへ行くことに!
小学校の中学年(3年生~4年生)あたりの話だったと思います。学校の行事で、遠足で某海岸へ行くことになりました。当時の私は、潮干狩りのことをあまり理解してなくて、遠足で食べられるものを取りに行くんだというぐらいでした。
学校から帰り、遠足で潮干狩り行く話をしたところ、釣り好きな父が頑張るようにと釣具店でわざわざ、潮干狩りで使うクワを買ってくれました。遠足前夜は、買ってもらったクワをしっかりとリュックに詰め込み、準備は万全。翌日の遠足が待ち遠しくて興奮して中々寝つくことができなかったのを覚えています。
初めての潮干狩りで家族の為に頑張ってアサリをとる!
遠足前夜は、興奮しすぎて中々寝付くことができませんでしたが、寝坊せずに起きることができて、前もって準備しておいたリュックを背負い学校に通いました。学校の校庭には大きなバスが数台準備してあり、いつでも出発できる準備ができています。
登校後は校庭に集まり先生が点呼を行い、点呼後はクラスごとに分かれてバスに乗りこみます。バスに乗車して数時間が経ち、ようやくお待ちかねの海岸に到着。
先生と現地のスタッフから、潮干狩りの方法を聞いて、早速父に買ってもらったクワを片手に働き始めます。
周囲の友達は水の潮干狩りそっちのけで、水の掛け合いなどをして楽しく遊んだりしていましたが、私は家族5人分をたくさん採って帰らなきゃならないと使命感に燃えて父から買ってもらったクワで必死になって潮干狩りを続けました。
集中した成果もあって、前もって準備されていた網袋にはたくさんの、アサリをはじめとした貝をギッシリ採ることができました、これで家族のみんなも喜ぶぞと、満足して遠足を終えることができました。
期待してからの悲劇
遠足から帰り、早速とってきた貝を両親に見せました。家族はたくさん採ってくることができたことを喜んでくれました。
私はとってきた貝をすぐに食べる事ができると思っていて、母親に早速その日に食べようと言いましたが、母が砂抜きをしないといけないという事を教えてくれて、少し大きな桶に水を張ってとってきた貝をその桶にいれて、ベランダでねかせる事にしました。遠足で張り切った私は、鼻高々に有頂天で夕食をとった後すぐに眠ってしまいました。
翌日目が覚め、学校に行く支度を整えて後、母親に貝料理を食べさせてねとお願いして登校しました。しかし時すでに遅しと既に悲劇は起きていました。
意気揚々と学校に行き、いつも通りに授業を受けて楽しく遊び、先日とってきた貝を楽しみに、家に帰ると母親から一言「ごめんね」なんの事か見当もつかず何であやまっているのか聞いたところ、先日頑張ってとってきた貝、遠足後、砂抜きの為にねかせておいた貝たちが全て全滅。
さいごに
私の遠足での努力は水の泡になってしまいました。この出来事の後はしばらくは母親と口を利くこともありませんでしたが、今となっては笑い話でまた一つの思い出です。
よく覚えていないのですが、塩分濃度とか塩抜きの時間とか水温とかダメダメなところがたくさんあったのではないかと思います。
当時の残念だった気持ちは計り知れないものがあったので、お子さんがいる家庭で、お子さんが遠足などで潮干狩りに行く機会があったなら、ご両親の方には適切な砂抜き方法をマスターしておいてあげてほしいと思います。