ちらし寿司に海苔巻きだけでなく、海鮮丼にも酢飯を使う人がいるとか。失敗せずに作れるなら酢飯を使う場面がもっと増えるのに。
水加減を少なめにしたのに、寿司酢を混ぜているうちにダマになっちゃうことが多いんですよね。上手な人ってどうやっているのか、気になります!
酢飯の作り方のコツ
酢飯を作るコツでよく言われているのは炊くときの水加減です。「少なめに」というのは常識ですよね。
最近の炊飯器には、お寿司用の水加減のための線が引かれているんですか?じゃあ間違える人はもういないはず…ではなく、酢飯の作り方に悩む人は後を絶ちません。
それは、水加減以外にもコツがあるからです。万人に共通のコツもあれば、あなただけにマッチするコツがあるかもしれません。試していないものがあれば、取り入れてみましょう。
- コメの種類をササニシキ系にする
- 浸水時間を長めにする
- ご飯が冷める過程で寿司酢の水分を含ませる
酢飯をべちゃべちゃしないために
酢飯がべちゃべちゃになる、ダマになる原因は、混ぜ方だけが原因ではありません。たしかに米粒を切り離すように寿司酢を混ぜないと粘りが出てきます。
でもそれ以外にも間違いを犯しているんです。自ら難易度を上げていることにも注意しましょう。
ご飯が堅いのは、芯があるから?
少ない水でご飯を炊くと固いのは、コメに水分が十分含まれていないからです。でも酢飯の場合は表面の水分は後から寿司酢で補います。
だから表面は固くても良いのです。気にするべきはコメの中心にまで水分がいきわたっているかです。これは後から修正するのは難しいし、少ない水加減では芯が残りやすいです。ではどうするかというと、浸水時間を長くして中心部分の水分量を炊く前から多くしてあげます。
たとえば「寿司屋では2日も浸水させる」という話もあるくらいです。コメ農家にすれば、不味くなるのでやりすぎと言われます。でも(1)芯まで水分を含ませて、(2)表面に水分を少なめに炊いて、(3)寿司酢で表面の水分を補う、と考えれば納得できると思いませんか?
コメの美味しさは粘りと甘さ…でも酢飯には適さない
そもそも粘る特徴を持っているコメの種類を選んではいけません。ご飯の粘りが美味しさの特徴なのがコシヒカリです。いくら好きな品種だからといって、スタートラインからして難易度ハードモードです。
寿司酢の水分はご飯が冷えるときに吸収される
煮物や煮魚を作るときのことを思い浮かべてください。弱火で時間をかけてコトコトに混む方法もありますが、良い味を染み込ませるには「一度冷ましてから温める」という方法をとりますよね?
そのために一度冷蔵庫で冷やすこともあるくらいです。ちなみに一晩寝かせたカレーを早く作りたいときにも冷蔵庫で冷やすといいですよ。
温度が上がると熱膨張で体積が上がります。つまりご飯の水分が外に出ていっている状態です。豆腐の水抜きもレンジで豆腐の中の水分温度をあげますよね。
それを冷やすことで体積が小さくなるときに周りの水分を吸い込むわけです。
酢飯を失敗覚悟で炊いてみた
いくらコツがあるからと言って、見てすぐにできるものでもないでしょう。後から寿司酢を加えてちょうど良い水分量にするなんて、難しくないですか?
お酢+水で普通のご飯を炊く水加減にすれば簡単だと思うんです。そう思ってやってみました。だってクックパッドにもそんなレシピが載ってるんですもん。
分量は1合で、炊飯器を使わずに土鍋で炊きました。
- お米 1合
- 酢 18ml(約20ml)
- 砂糖 9g(約小さじ2)
- 塩 4.5g(約小さじ1)
- 水 お酢と合わせて200cc
炊き方は「土鍋で美味しいご飯を炊くのにこれ以上簡単な方法ある?」にある通りです。
その結果は…お酢のにおいがする甘塩っぱいごはんでした。酢飯が嫌いな人は、お酢のにおいが嫌いというパターンが多いようです。
お酢を一緒に炊くと、酢の強烈なにおいが家中に充満します。ご飯自体にもお酢のにおいが染みついています。そのくせ、酢の味はしません。
なんか酸っぱいような気がしないでもないのですが実は香りだけ。味は砂糖の甘さとそれを引き立てるための塩の味です。
美味しいご飯を炊くコツとしてお酢を入れることがあるのは知っていたし、沸騰させたら酢は飛んでしまうのも知っていました。でも酢飯にするくらいの量があれば残るのではないかと期待していたのですが…。
たぶん一番やってはいけない状態のご飯になっていると思います。もったいないのでやめた方がいいでしょう。
まとめ
べちゃべちゃしない酢飯にするためのコツを書いてみました。
具体的な手順というよりも考え方なので、すぐに美味しい酢飯が作れるようになるというものでもないですが、役立つ情報が1つでもあれば書いた甲斐があります。
間違っても横着をしてお酢を入れて炊いたら酢飯ができると思わないようにしましょう。