アマランサスはスーパーグレイン(驚異の穀物)とも言われて、栄養素の高さから健康志向の人やダイエット中の食事に気を付けている人などから注目されています。
香りは比較的クセがなくプチプチとした触感も楽しいですし、料理に合わせやすいのでダイエット食のような味気ないものにはなりません。
そんなアマランサスについて紹介します。
アマランサスとは?
アマランサスとはヒユ科ヒユ属に属する植物の総称で、種子は食用として利用されています。
日本におけるアマランサスの発音は英語式ですが、もともとはギリシャ語を語源とするラテン語で語尾の部分は男性名詞の特徴を表しています。語源のギリシャ語の原義は、「花がしおれることがない」という意味です。
葉は互生する特徴があり、植物としては一年草に分類されています。世界中で多くの品種が栽培されていて穀物としての重要性が認識されています。
古代インカ帝国においては、アマランサスの種子は重要な食料として大いに珍重されていました。ところが、16世紀のインカ帝国の滅亡によって、南米からは駆逐されてしまった歴史があります。
近世の時代には観賞用としても広まり、原産地の南米と同様に穀物として利用されるようになりました。
栄養価の高さが注目されるようになったのです。タンパク質が白米の2倍もあるだけでなく、各種のビタミンが豊富なのも特徴です。抗酸化力が強い栄養が含まれ、消化吸収に優れることも注目されて、美容や健康の分野で使う動きも広まっています。
アマランサスの種子は、今では世界中で利用することが可能で、料理の種類も豊富になりました。主食の一部にしたり、副菜として食事に加えれば、慢性的な栄養不足にも対応できる穀物として貴重です。
アマランサスの栄養成分
アマランサスは南米原産の雑穀で、一般的には馴染みのない食物です。ただ、日本人が以前からあまり食べたことがないことと、栄養成分が粟やキビなどの他の雑穀に比べはるかに多いことから食物アレルギー、特に穀物のアレルギー患者の主食やおやつの材料としてもよく使用されています。
現在ではヘルシーな食事が好まれ、色々な調理法が紹介されています。アマランサスの栄養成分の中で群を抜いて多い成分は、カルシウムと鉄分です。
カルシウムは白米の25倍で土壌の中にカルシウムの少ない日本では数少ないカルシウムを多く取ることのできる食物です。
鉄分も白米に比べ50倍と非常に多く含まれていて、貧血が気になる女性には心強い味方です。ただし「アマランサスは鉄分含有量が多いから良いってわけじゃない」にもあるように、鉄分には吸収率の違う2種類があるので注意が必要です。
まとまった栄養成分を取りたい場合は白米のように主食として食べるといいですが、アマランサスばかりをたくさん食べることはできないと思ったら、サラダに混ぜたり、パンにアマランサスの粉を混ぜて栄養成分を取ることができます。
うちでは白米、押し麦、キヌア、アマランサスを一緒に炊いています。「1食でたっぷり食べる」と考えるのではなく「毎食少しずつ食べる」の方が長続きするのではないかと思うのです。
においに敏感だと最初は少し気になるかもしれません。そんな場合でも少量ずつから鳴らしていくという意味でも毎食少しずつから始めてみるのも良いでしょう。
個人的には「アマランサスは鉄分含有量が多いから良いってわけじゃない」にも書いたように、キヌアは青臭くて最初は抵抗があったのに対してアマランサスは平気でした。むしろ生の状態のときの方が雑穀臭があるのではないかというほどです。
アマランサス大さじ1杯の栄養成分は次のようになります。
栄養素 | 大さじ1杯(15g) |
---|---|
カロリー | 54kcal |
たんぱく質 | 1.91g |
糖質 | 0.9g |
炭水化物 | 9,74g |
食物繊維 | 1.11g |
ビタミンE | 0.2mg |
ビタミンB1 | 0.01mg |
ビタミンB2 | 0.02mg |
ナイアシン | 0.15mg |
ビタミンB6 | 0.09mg |
葉酸 | 19.5μg |
パントテン酸 | 0.25mg |
ビオチン | 2.45μg |
ナトリウム | 0.15mg |
カリウム | 90mg |
カルシウム | 24mg |
マグネシウム | 40.5mg |
リン | 81mg |
鉄 | 1.41mg |
亜鉛 | 0.87mg |
銅 | 0.14mg |
マンガン | 0.92mg |
ヨウ素 | 0.15μg |
セレン | 1.95μg |
クロム | 1.05μg |
モリブデン | 8.85μg |
アマランサスは豊富な栄養素のため継続して食べることで骨や筋肉が丈夫になり、健康な体に変化し、生き生きとした生活を送れるようになることが期待できます。また、ミネラル類も豊富に含まれているので、健康面だけでなく美容にも効果が期待できます。
アマランサスの食べ方
アマランサスにはカルシウムや鉄分が多く含まれています。高い栄養価だけではなく、脂肪燃焼や中性脂肪の減少にも役に立ちダイエットに向いています。
食べ方が気になるところですが、特に決まった方法がありません。
アマランサスの見た目は白ゴマに似ていることから、ご飯に振りかけて食べる人もいます。でも生で食べると身体を冷やすということなので、冷え性な人は加熱した方が良いでしょう。
ご飯を炊く時に炊飯器の中に入れて一緒に炊くのは手間もかからないのでおすすめです。その場合はご飯1合に対してアマランサスを大さじ1杯ほど入れると良いでしょう。
土鍋の場合は「土鍋でご飯を炊く0.5合のレシピと炊き方に失敗しても助かる方法」が参考になります。食べる感触もほどよくプチプチした触感がアクセントになります。味の方も特に変化しませんので好き嫌いなく食べられるのではないでしょうか。
その他のアマランサスの食べ方ですが、事前にフライパンで少し炒めておくとポップコーンのように弾けます。
それをサラダに入れてみたり、炒め物に混ぜてみたり、お菓子やパンと一緒にしてみたりと工夫次第で色々なものに入れて食べることができます。
ですから生のものだけではなく、フライパンで炒めたポップを用意しておくと料理にバリエーションが増えて、ご飯以外のものと一緒に食べれますよ。食感も悪くありませんから、トッピングとして色々活用してみてください。
さいごに
アマランサスについて紹介しました。
一番簡単なのは、ご飯を炊くときに大さじ1杯追加することです。水加減の調整が不要でチャチャッと水洗いしていれるだけ。たったそれだけの手間で豊富な栄養を採ることができます。
栄養補給をサプリに頼る前に、こういった食べ物にも注目してみてはどうでしょうか。
どうしてもにおいが気になるなら「キヌアと白米を土鍋で炊いたときの青臭さを和らげるコツ」を参考にしてください。
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